振袖選び時期、「ママ振(お母様の振袖)を着せたい親」と「ママ振ではなくイマドキの振袖を着たいお嬢様」の間でちょっとしたすれ違いが起きがちです。
「せっかく残しておいたのだから、着てもらいたい」
「お金も節約になるし、十分キレイで立派」
そんな親の気持ちに対して、
「なんだか古くさいし、友達と比べて浮きそう」
「せっかくの成人式、今っぽい振袖を着たい」
というお嬢様の本音。
どちらの気持ちももっともで、“対立”ではなく“すり合わせ”が必要なテーマです。この記事では、どちらの気持ちも大切にしながら、ベストな答えを見つけるヒントをご紹介します。
ママ振は「着るか、着ないか」だけじゃない。第三の選択肢“アレンジ”を知っておこう
ママ振=そのまま着る、ではありません。
帯・小物・ヘアメイクを現代風にアップデートすることで、“新しい表情”を持った振袖に生まれ変わることができます。
例えば・・・
• 黒地の古典振袖 × 白金の今風帯 × パール付き帯締め
• 赤系の重厚な絞りのママ振 × レース半衿 × パール重ね襟
• 足元をブーツに変更しモード感を出す
ちょっとしたアレンジでも、友達と並んでも古くさく見えず、むしろ「おしゃれで素敵」と言われることも。「ママ振をベースに、お嬢様のセンスで仕上げる」という発想で見直すと、意外と楽しく選べます。
お嬢様の「着たくない理由」を丁寧にすくい上げてみて
「着たくない」と一言で言っても、その理由はさまざま。
例えば・・・
• 流行遅れに見えそう
• 柄や色が好みじゃない
• 友達と写真を撮る時に浮きそう
• お母さんと比較されたくない気持ちもあるかも…
ここで大切なのは、否定せずに話を聞くこと。
「じゃあ帯や小物だけでも今風にしてみようか」「一度、試着だけでもしてみる?」など、歩み寄りの提案をしてみると、お嬢様の気持ちも変わるかもしれません。
ママ振でも、費用がかかるケースも
「ママ振は安上がり」と思いがちですが、実はそうとは限りません。
• 振袖のサイズが合わない→サイズ直しの費用が必要(サイズ直しできないケースも)
• シミや黄ばみ→丸洗いや染み抜きが必要
• 小物一式を新調→帯、帯締め、帯揚げ、半衿、草履、バッグなどの費用
トータルコストや手間を考えると、今風のレンタルセットと変わらないことも。
だからこそ、「着たくないなら買えばいい」という単純な話ではなく、感情と予算の両方を見て判断するのがポイントです。
親子で一緒に「試着体験」へ行ってみる
言葉だけでは平行線でも、実際に試着して比べてみると印象が変わることがあります。
• 「ママ振でも素敵に見えるんだ!」とお嬢様が気づく
• 「この振袖のほうが娘に似合うかも」と親が納得する
選択肢を視覚化することで、どちらの気持ちも整理されていきます。
「ママ振」と「お嬢様好み」、2枚とも楽しむという選択肢も
「ママ振も大事にしたいけど、やっぱり自分の好きなスタイルも着たい…」
そんな時におすすめなのが、前撮りで2枚の振袖を着たり、前撮りと成人式で振袖を着分けるプランです。
たとえば:
• 前撮りはママ振で思い出重視&家族写真を
• 成人式当日はレンタルや購入振袖で最新スタイルを
というように、それぞれの着用シーンを分けることで、親の思いも、お嬢様の「今らしさ」も両立できます。「どちらか一方をあきらめる」ではなく、「どちらも叶える」柔軟なスタイルが選べる時代です。
成人式は「お嬢様の人生の節目」
親として思い入れのある振袖を着てほしい。それは深い愛情であり、思い出でもあります。
でも、成人式はお嬢様にとって「自分自身を表現する日」。
「着てよかった」
「自分らしく過ごせた」
そんな実感を持てる一着であることが、なによりも大切です。
だからこそ、「ママ振」「新作振袖」どちらであっても、お嬢様の魅力が最大限に引き立つ一着を見つけていきましょう。

misakoはママ振りではなかったけれど、親が決めた振袖と帯でした。正直なところ、理想とする着たい色や柄ではなく、地味だと感じていました。そのかわり、小物類は会場にある中で納得いくものを選ばせてもらいました。自分の中では、最善を尽くしたコーディネートでした。
当時、「振袖は選ばせてもらえなかった」という思いは強かったですし、その思いが消えることは今後も無いと思います。その代わり、今は自分の好きな色柄の着物を選んで着るようになりました。
だからもし、納得のいく振袖が着れなかったとしても、ぜひご自身の好きなコーディネートを堂々と着れる機会をご自身で作ってほしいです。