着付の「へら」って、ほんとうに必要?

着付師の集会所

着付道具の中で、なぜか必需品っぽい顔をしているもの。

それが、へら

でも正直なところ、「最初からきれいに着付していれば、原則いらない」というのが、個人的な感想です。

へらは「修正用」の道具

へらが活躍する場面は、限られています。

• おはしょりの微調整

• 脇タックの仕上げ

• 指が入りにくい部分の補助

つまり、最後のひと押しに使うもの。

最初から布の流れを整えて着付けていれば、出番はほんのわずかです。

帯揚げの収納、指で足りる

よく言われるのが「帯揚げを入れるのにへらが必要」。

でも実際は、

• 指で押さえる

• 布の方向を読む これで十分。

へらがないとできない作業、実はありません。

顔の近くで“棒”を振られる怖さ

振袖着付けの練習で相モデルをすることがあるのですが、帯揚げを押し込む作業など、顔の近くでへらを使われるのが、普通に「怖い」と思っています。

へらを知らない人から見たら、ただの「細い棒」

• 目に当たりそう、顔にぶつかりそう

• 髪に引っかかりそう

着付される側の不安、意外と見落とされがちです。

布は本来、手で整えることができます。

へらは補助であって、主役ではありません。

へらは「悪」じゃない、でも万能でもない

へらを使用することに対して、全否定したいわけではない、ということ。

• 指が届かないところ

• 最終調整

には、確かに便利。

ただ、へらがないと成立しない着付があるとすれば、それは着付師の技術不足かな、と思います。

少し立ち止まって考えたい。

おわりに

へらは、

• あると便利

• でも必須ではない

道具です。

着付の美しさは、布の扱いで決まる。

へらを使うかどうかより、「どう着せているか」。

そこを大事にしていきたいな、と思っています。

misako

30代着付師。成人式当日や前撮りなどの現場で、振袖の着付けを担当しています。振袖をきっかけに、人生の節目や日常の中でも、またきものに袖を通してもらえるように――。自分らしさにこだわった、すばらしい振袖姿を監修します。◆日本和装協会認定 師範/教授/着付師技術者 ◆きもの文化検定1級 ◆福祉車いす着付師

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